はじめに
阿嘉島(あかじま)から橋を渡ると慶留間島(げるまじま)と外地島(ふかじじま)という小さな2つの離島がある。
阿嘉島は慶良間(けらま)諸島の中でも座間味島や渡嘉敷島に比べると素朴な島だ。
しかし、阿嘉島の南にある慶留間島は人口数十人程度と阿嘉島をさらに素朴にしたような感じである(阿嘉島の人口は300人弱)。
さらにその南にある外地島は無人島で、慶良間空港が島の面積の大部分を占めている。
阿嘉島の港から外地島の慶良間空港までは3kmちょっとで徒歩でも十分に回れる大きさだが(日々のランニングには丁度良いかも)、今回はレンタルバイクや自転車を利用して島を巡ってきたので以下にご紹介したい。
海の色が抜群に綺麗な阿嘉大橋
阿嘉島の南に位置する島の玄関口である阿嘉港から、慶留間島に向かって阿嘉大橋という大きな橋が伸びている。
阿嘉大橋の全長は530mと宮古島に架かっている橋なんかに比べると短いが、これだけ小さな島同士を繋ぐのにこんなに立派な橋が架かっているのは見たことがない。
阿嘉大橋から見る阿嘉島の海はため息が出るほど美しい。
晴れた日の阿嘉島の海は、鮮やかなエメラルドグリーン色とケラマブルーらしい青色が見事に混ざっている。
ニシバマビーチと合わせて、阿嘉大橋から見る海は阿嘉島に来たら必見だ。
高良家とイタリアンレストランがある慶留間島
阿嘉大橋を渡り、一部が工事中になっている海沿いの道路を進む。
人口数十人程度の慶留間島には、阿嘉島の集落(阿嘉集落)よりもさらに小さな集落が1つある。
小さな離島にある人口数十人程度の町内会レベルの集落を訪れる度に、こんなところでもよくここまで文明が発達しているもんだ、と妙に感心させられる。
慶留間島はケラマジカの生息地として知られるが、集落を散策していると時折ケラマジカに遭遇する(ちなみに阿嘉島の集落でもよく見る)。
慶留間島にある唯一の観光スポットらしい観光スポットと言えば旧家の高良家(たからけ)だ。
高良家は19世紀後半に建築されたと言われる石垣に囲まれた赤瓦屋根の沖縄らしい古民家である。
せっかくなので高良家を一目見ようと石垣の中に入ると、縁側では受付のおじさんが待ってましたとばかりに座っていたので、300円を支払って内部を見学することにした。
この時期(11月)は観光客も少ないのか、おじさんは丁寧に色々と説明してくれるので、興味がある人は訪れてみると良いだろう(僕は建築物にそれほど興味がない、スマン)。
慶留間島には他にお店らしきものは見当たらないのだが、何故かイタリアンレストランが1軒ある。
このレストランでは自家栽培野菜と島の魚を使った料理を提供しているらしい。
さすがに慶留間集落ではお客さんは少ないのか予約制になっているが、店内をのぞいてみると空席があり、「トマトソースのパスタならできます」とのことでランチをいただくことにした。
なんだか小さな島には不釣り合いなおしゃれなパスタと白ワインを楽しんでいると、同じくランチ難民と思われるアメリカ人らしきカップルがやって来た。
スマホを取り出し、グーグル翻訳を駆使して店員とやり取りしようとしていたので通訳をしてあげた。
最近は沖縄の小さな離島でも中国系や欧米人観光客が増えてきたが、離島では英語を話せる人も少ないらしく、このような光景はあちらこちらで見かける(離島で外国人向けの商売を始めるのも良いかもしれない)。
慶良間空港と展望台がある外地島
慶留間島からさらに南に慶留間橋を渡ると外地島がある。
慶留間橋の上からは、慶留間島の端っこにある慶留間小・中学校が一望できる。
こんなに美しいサンゴ礁の海に囲まれて育つ子ども達は幸せなのか、それとも同級生がほとんどいなくて退屈なのか、ふと疑問に思った。
無人島の外地島に入ると、島の大部分を占める慶良間空港が姿を現す。
慶良間空港は現在は定期便の発着は行われていないが、那覇空港との間を行き来するヘリタクシー(チャーターヘリ)が飛んでいるらしい。
ヘリタクシーの料金は10万円弱(フェリー欠航時は3分の1)なので、金持ちの道楽か緊急用と思われる。
慶良間空港から道路を挟んで反対側にある草木が生い茂る山道を登っていくと外地展望台があり、展望台からは慶良間空港の滑走路や慶良間諸島の島々を望むことができる。
おわりに
以上、簡単だが慶留間島と外地島の風景をご紹介した。
慶良間諸島の中でも最も素朴な離島感を味わえる慶留間島と外地島。
阿嘉島を加えて小さな離島が3つ橋で繋がっているという光景は沖縄では他に類を見ず、離島マニアなら是非訪れたい島だ。
阿嘉島(および慶留間島と外地島)は、コンパクトなサイズ感といい海の美しさといいとても気に入った島なので、次回訪れた際は1週間くらい滞在して徒歩でゆっくりと見て回りたいと思う。