グラナダはスペイン南部アンダルシア州にある都市で、イベリア半島におけるイスラム王朝終焉の地として知られる。
グラナダのヨーロッパ文化とイスラム文化が融合した美しい街並み、そして独特のバル文化に魅せられ、スペインの中でも特に好きになった都市である。
グラナダと言えばイスラム建築のアルハンブラ宮殿が有名で、その他にはカテドラル(大聖堂)やアルバイシン地区など見どころはそれほど多くないのだが、グラナダでは是非のんびりと街歩きやバル巡りを楽しんで欲しい。
グラナダの街を歩いていると数多くのバルが集まったエリアがあり、一人でも気軽に入ることができる。
グラナダのバルではドリンクを頼むとタパス(小皿料理)が一品無料で付いてくるという独特のバル文化があり、一人旅の僕は食事を兼ねてグラナダのバルを昼間からハシゴしたものだ。
今回グラナダには3泊の滞在だったのだが、この独特のバル文化とのんびりとした街の雰囲気が気に入り、もっと滞在していたいと思ったスペインでも数少ない街の一つである。
市街地の中心部からカラフルなアラブ街を抜けるとアルバイシン地区に出る。
アルバイシン地区はイスラム教徒の居住区だった場所で、グラナダでも最古の街並みが広がる。
アルバイシン地区の石畳の道を上っていくと、アルハンブラ宮殿とグラナダの街並みを一望できるサン・ニコラス展望台にたどり着く。
アルバイシン地区の街並みも展望台からの景色も一見の価値ありなのだが、アルバイシン地区はあまり治安が良くないようで、特に夜は一人で出歩くのは避けた方が良さそうだ。
確かに、迷路のようになっているアルバイシン地区の通りには所々に人の気配がせず、モロッコのメディナ(旧市街)に通じる雰囲気を感じる。
グラナダの小さな街は1日あれば見て回ることができるし、アルハンブラ宮殿の観光を合わせても2泊もすれば十分かもしれない。
しかし、グラナダは駆け足で観光するのではなく、できればのんびりと滞在して、美しい街並みとバル文化を心ゆくまで味わいたいと思わせてくれるような街だ。
アンダルシアの中でも特に印象に残っている街・グラナダ。
僕も次回グラナダを訪れた際は、時間を気にせず街中にあるバルをハシゴして、昼から晩まで飽きるまでタパスをつまみに酒を飲む予定である。