はじめに
スペインからのフェリーが発着するモロッコ北部の港町タンジェでは2泊したのだが、その際に宿泊したのがリヤドの「ダル・ヌール(Dar Nour)」だ。
アラビア語で「光の家」という名前を持つこのリヤドはタンジェのメディナ(旧市街)に位置し、お洒落なインテリアの客室に、地中海とメディナを望む絶景のテラスが印象的で、初めてのモロッコでの滞在を心地良いものにしてくれた。
ちなみにリヤドとはアラビア語で「庭」や「邸宅」を意味し、古い邸宅を改築して宿泊施設としたものである。
モロッコのリヤドはホテルよりも割高で不便なことも多いのだが、モロッコらしい雰囲気を味わうことができるので、モロッコに来たら是非一度はリヤドに泊まって欲しい。
「ダル・ヌール」の予約はBooking.comで行い、宿泊料金はミニスイートで1泊あたり92ユーロ(朝食、市税別)だった。
チェックイン
「ダル・ヌール」はメディナのカスバ地域にあり、タンジェのフェリーターミナル(旧タンジェ港)からも徒歩でアクセス可能だ。
Googleマップで見たところフェリーターミナルからも近いし、僕はフェリーを降りてから歩いてリヤドに向かうことにした。
しかし、城壁で囲まれたメディナは入り口が分かりづらくて、案の定迷子になってしまった。
タンジェのメディナ内はあまり雰囲気が良くないので、不安な方はリヤドの近くまでタクシーで行くことをおすすめする。
リヤドの外観は周辺の家と変わりなく、迷路のようになっているメディナの路地をチップ目当てであろう子どもに追われながらさ迷った挙げ句、なんとかたどり着くことができた。
部屋に案内してくれた若い男性スタッフはフランス語が話せるものの英語はほとんど話せず、身振り手振りを交えながらチェックイン。
余談であるが、モロッコの公用語はアラビア語とベルベル語(先住民族ベルベル人の言葉)で、学校教育でも使用されているフランス語が準公用語的地位にある。
旧フランスの植民地が多いアフリカでは英語よりもフランス語の方が役立ちそうだし、将来アフリカ大陸を巡る前にある程度フランス語を勉強した方が良さそうだ。
白を基調にしたミニスイート「Mohand」
今回宿泊した部屋が、「Mohand」という名のミニスイート。
「ダル・ヌール」の客室はそれぞれテーマカラーがあるが、「Mohand」は白を基調にした客室となっている。
古い邸宅を改築したリヤドは不便なところもあるようだが、このリヤドではエアコンが付いていなかった。
しかし、滞在したのはまだまだ気温が高い9月末だったが、乾燥しているモロッコでは日中は暑いものの夜は過ごしやすいためそれほど不快ではなかった。
Wi-Fi(インターネット)はテラスに上がると快適に使えたものの、室内では接続状況が悪くあまり使えなかった。
ネット環境が心配な方は、現地のSIMカードやモバイルWi-Fiルーターを持参した方が良さそうだ。
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バスルームはシャワーの出も良くお湯もちゃんと使えたが、モロッコの他の多くのホテルと同様リンスやドライヤーは置いていなかった。
また、モロッコでは断水がたびたび起こるようで、一度大が流れないという悲劇に見舞われたが、それ以外ではストレスなく使用することができた。
「ダル・ヌール」では他にも個性的な客室があり、公式サイトで客室の写真も見られるのでチェックしてみて欲しい。
屋上テラスでの朝食とバータイム
「ダル・ヌール」の屋上テラスからは地中海とメディナの街並みを望むことができる。
朝食はテラスで提供される。
宿泊料金には朝食は含まれていなかったが、せっかくなので追加料金を支払って朝食をいただくことにした。
朝食のメニューは豊富だが、パンにゆで卵、フルーツやデザートなどシンプルなものばかりである。
夕暮れ時になると、テラスにはバーカウンターが設けられお酒が提供される。
モロッコの白ワインの他に「カサブランカ」というモロッコビールもいただいたが、どちらも美味しかったな。
イスラム教徒が多いモロッコではお酒は気軽に飲めないし、夜のメディナは治安も心配なので、リヤドでゆっくりと絶景を眺めながらお酒を楽しんだ方が良さそうだ。
他の宿泊客も、お酒を片手に景色を楽しみながら思い思いの時を過ごしている。
宿泊客にはフランス人が多いのか、周りではフランス語が飛び交っていたのでアウェイ感を覚えた。ボンジュール。
なお、ランチやディナーにはメディナにある同経営の「ル・サロン・ブルー(Le Salon Bleu)」もおすすめなので是非訪れてみて欲しい。
チェックアウト
スペインで下ろしたユーロがまだ余っていたので、宿泊料金はユーロで支払った(モロッコのホテルはユーロを使えるところが多い)。
「ダル・ヌール」はモロッコで滞在した唯一のリヤドだったが、メディナ内の古いリヤドで十分にモロッコの雰囲気を味わうことができ、やや不便は感じたものの満足いく滞在だった。
古い邸宅でモロッコのお金持ち気分を味わいたい方は、是非一度はリヤドに泊まって欲しい。そして、タンジェに来たら「ダル・ヌール」はとてもおすすめだ。
リヤドをチェックアウトし、次の目的地であるシャウエン行きのバスに乗るためにバスターミナルへと向かった。
予約
ホテル情報
公式サイト:https://www.darnour.com/
住所と地図:20 Rue Gourna, Kasbah, Tanger