はじめに
スペインのタリファ(Tarifa)とモロッコのタンジェ(Tanger)はフェリーを使って行き来することができる。
ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸の間にあるジブラルタル海峡を渡るというロマン溢れる船旅で、旅人にも人気のルートとなっている。
フェリーはFRSとIntershippingの2社が運行しており、便数も多く、所要時間は1時間程度と短いので日帰り旅行も十分に可能だ。
僕の場合は片道だったが、実際にスペインのタリファからモロッコのタンジェへとフェリーで移動してきたので以下にご紹介したい。
フェリーチケットの予約
フェリーチケットはネット予約が可能で、僕は今回FRSでネット予約した。
フェリー料金(片道)は39ユーロで乗船時間は1時間と短い。
フェリーは大型船で便数も多いので当日購入でも大丈夫だと思うが、特にスケジュールがタイトな方は事前に予約しておくと安心だ。
FRSとIntershippingの2社があるが、フェリーは交互に大体1時間おきに運行しているので、スケジュールに合わせて選べば良いと思う。
なお、フェリーの時刻表と料金の最新情報に関しては、FRSとIntershippingのウェブサイト(英語)を確認して欲しい。
予約が完了したら、予約確認書を印刷(あるいはダウンロードして保存)しておこう。
タリファのフェリーターミナルでフェリーに乗船
タリファのフェリーターミナルはタリファ旧市街の南に位置している。
フェリーターミナル内の建物に入り、FRSの窓口で予めプリントアウトしておいた予約確認書を提示すると乗船券と入国カードをくれた。
僕が乗船するフェリーは午後1時発で、スペインとモロッコはスペインのサマータイム時は時差が1時間あるので(2019年9月現在)、モロッコには同時刻の午後1時着となり、なんだか得した気分だ。
フェリーターミナルには早く到着し過ぎたので、ターミナル内のカフェで軽食を取りながら入国カードを記入する。
フェリーは大体1時間間隔で、出発時刻の1時間くらい前になると列に並び始める人ができる。遅くとも30分くらい前には到着しておいた方が良さそうだ。
フェリーの出発時刻まではまだ3時間近くもあったので、スーツケースを引きずりながら、前日に引き続き再度タリファ岬を訪れることにした。
タリファ岬は地中海と大西洋を同時に望むことができるスペインでも屈指の絶景スポットだ。
フェリーターミナルからタリファ岬までは歩いて10分程度で行けるので、まだタリファ岬に訪れていない方は是非待ち時間を利用して訪れて欲しい。
出発時刻の40分くらい前になると乗船手続きが始まった。荷物検査を済ませ、イミグレで出国スタンプを押してもらった後フェリーに乗り込む。
乗船口付近に荷物置き場があったので、スーツケースを置いて座席へと進む。
乗船してしばらくすると、カフェの向かって左側に行列ができているのに気付く。
どうやら入国審査らしい。パスポートと記入済みの入国カードを用意して列に並ぶ。
無事にモロッコの入国スタンプを押してもらい、海を望む窓際の席に座って出発時刻を待つ。
ほどなくして、フェリーはモロッコに向けてタリファの港を出港した。
ジブラルタル海峡の海をぼんやりと眺めながら、初めて上陸するアフリカ大陸とモロッコに思いを馳せると、言いようのない不安感と期待感が込み上げてきた。
フェリーの船内ではWi-Fi(インターネット)も利用可能で、大型船だし天気も良かったからか、それほど揺れを感じることもなく快適な船旅だった。
予定時刻からはやや遅れ、フェリーはタンジェの旧市街(メディナと呼ばれる)近くにあるタンジェの港(旧タンジェ港)に到着した。
モロッコのタンジェに到着
旧タンジェ港に到着したら、パスポートチェックを通過してフェリーターミナルの出口へと向かう。
フェリーターミナルの出口近くには両替所があったので、必要な人はいくらかユーロをモロッコディルハムに両替しておくと良いだろう。
モロッコのホテルはユーロが使えるところも多いし、タンジェの市街地にはATMも多いので、歩いて旧市街に向かう人はフェリーターミナルで両替しなくても大丈夫だと思う(タクシーでユーロが使えるかどうかは知らない)。
僕は港近くの旧市街にあるホテルに泊まる予定だったので、そのまま歩いてホテルへと向かった。
旧市街は迷いやすい(僕は相変わらず迷子になった)し旧市街周辺には観光客を狙ったうざいモロッコ人がいるので、不安な方はタクシーやホテルの送迎サービスがあれば利用すれば良いだろう。
以上、スペインのタリファからモロッコのタンジェへの行き方をご紹介した。
ヨーロッパとアフリカ、ほんの1時間で雰囲気がガラッと変わる大陸間のフェリーでの旅はなかなか刺激的なので、是非一度は体験してみて欲しい。