スペインではいくつかのレストランでパエリアを食べたのだが、お店や地方によってパエリアも様々で、違いを楽しむのも面白い。
バルセロナに滞在中、ランブラス通りから少し入ったレイアール広場にある「マリスコ(Mariscco)」というシーフードレストランでパエリアをいただいた。
「マリスコ」の隣には安くて美味しいパエリアを提供している「ラス・キンザ・ニッツ」があるが、こちらも要チェックだ。
店頭でメニューをチェックし、入ろうかどうか悩んでいると店員が声をかけてきた。
メニューにはパエリアは2人前からと書いてあるのだが、1人前のパエリアがあるか聞いてみたところ、1人客なら1人前でも注文できるらしい。
夕方でディナーにはまだ早い時間だからか店内は混んでおらず、目の前にレイアール広場を望むテラス席に座ることができた。
このお店で注文したのは高級感溢れるロブスターのパエリア。
運ばれてきたパエリアを見ると汁気が多く、どちらかと言うと雑炊やリゾットに近い。
気になったので後からメニューをチェックしてみたところ、英語のメニューにはパエリア(paella)と書かれているが、どうやらスペイン語ではカルドソ(caldoso)と言うらしい。
カルドソとは、簡単に言えばスープたっぷりのパエリアだと思えば良いだろう。
ロブスターは殻付きで殻を割る道具や身をほじくる道具と一緒に提供されたので面倒くさそうだと思ったのだが、案外それほどの苦労もなく身は簡単に食べることができた。
ご想像の通り、ロブスターが入っているパエリア(カルドソ)なんて美味しいに決まっているのだが、僕はパエリアは汁気のないチャーハンのようなものの方が好きである。
ところが、ヨーロッパ人は柔らかい米料理を好むのか、スペインではリゾットに近いパエリアにたびたび出会うのが少し残念だ。
食事を楽しんでいると、前方に座っている英語ネイティブの4人組のうちの1人が、酒を飲んでテンションが上がっているのか1人で食事をしている女性に声をかけていた。
「Do you speak English?」
うん、僕だったら英語話せても「No」と言って話せないフリをするな。
酔っ払って高圧的で欲望むき出しになっている白人ってどうも苦手なんだよなぁ。
英語しか話せないくせに、余所の国で調子に乗らないでよね。せっかくの雰囲気が台無しじゃないか。と、そんなことを考えているうちに、日はだんだんと暮れていった。
食後はビールを楽しみながら、ゆっくりと時間が流れるレイアール広場を眺める。
お会計はパエリアとビール2杯で合計35.90ユーロだった。
「マリスコ」のパエリアは一般的な日本人が想像するパエリアとは異なるものの(そもそもカルドソである)、味は美味しいので特に雑炊やリゾットが好きな方にはおすすめだ。
バルセロナのパエリアは概してレベルが高いので、街歩きを楽しみながら色々なお店のパエリアを食べ比べてみてはいかがだろうか。
それにしても、1人での食事も飽きたな。
店舗情報
営業時間:10:00~翌1:00
定休日:無休
公式サイト(英語):https://mariscco.com/en/
アクセス:地下鉄3号線リセウ駅から徒歩数分(レイアール広場内)
住所と地図:Plaça Reial, 8, Barcelona
※上記は変更の可能性がありますので予めご了承ください。