【ケララ州】アレッピーの島で迷子になって南インド人に助けられた話

ヤギがいた

南インド・ケララ州のコーチン(コチ)からアレッピー(アラップーラ)までバスで移動し、アレッピーのバスターミナルに到着後、ガイドブック「地球の歩き方」に載っていた「エメラルド アイル」というホテルに向かうためにバスターミナルでオートリキシャに乗り込んだ。

コーチン(コチ)からアレッピー(アラップーラ)へのバスを使った行き方【アクセス】

2018.04.25

詳細に関してはまた別の記事で書こうと思うが、「エメラルド アイル」はアレッピーの街から南東に約13km行ったところの島の上にある伝統建築を利用したホテルだ。

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オートリキシャは水が豊かなアレッピーののどかな風景を眺めながら走り、ほどなくして島に渡るボートが発着する桟橋に到着した。

オートリキシャからの風景

オートリキシャからの風景

ボートが発着する桟橋

ボートが発着する桟橋

オートリキシャの運転手のおじさんがホテルに電話をかけてくれる。ボートが迎えに来るから桟橋で待っていれば良いらしい。

電話をかけ終わった運転手のおじさんが「迎えのボートが来るまでここで待っていた方が良い?」と聞いてきたので、僕は「いや、もう帰って良いよ」と答えた。思えば、これが悪夢の始まりだった。

島の青年らしき人たちからの妙な視線を感じながらしばらく待っていると、小さな手こぎボートがやって来た。

ボートを待つ島の青年たち

ボートを待つ島の青年たち

島へ渡る小さなボート

島へ渡る小さなボート

数人の乗客と何だかその場に不釣り合いな僕の大きなスーツケースを載せて、小さな手こぎボートはバックウォーターをゆっくりと対岸へと進む。

ボートは無事に対岸に到着したのだが、周囲にはホテルらしきものは見当たらない。僕は当初、ホテルは小さな島の上にあってすぐに見つかると思っていたので、とりあえず歩き始めることにした。

島の川沿いを歩く

島の川沿いを歩く

砂と砂利のでこぼこした道をスーツケースを抱えながら歩く。外国人が珍しいのか、川で洗濯をしているおばちゃんたちがじろじろとこちらを見てくる。

しばらく歩くもホテルらしきものは見えてこない。スマホの地図アプリで「エメラルド アイル」を調べてみたところ、近くにありそうだがいくら歩いても近づいている気配がなかった。

川沿いに道がひたすら続く

川沿いに道がひたすら続く

それにしても、4月末のケララ州(南インド)は暑い。日差しが強い上に湿気もある。夏の沖縄と京都を足したような感じと言えば分かりやすいだろうか(すなわち、最悪ということ)。

酷暑の中、舗装されていない道を重たいスーツケースを抱えて歩き続けて身体は汗まみれだ。しかし、一向にホテルにたどり着く気配はしなかった。

なんだか命の危険を感じてきたので、とりあえずすれ違った人たちに「エメラルド アイル」がどこにあるかを知っているか聞いてみた。

全く通じない人もいれば、僕が歩いている方角を指さして「あっちの方」とジェスチャーする人もいた。不安を覚えながらも歩き続けることにした。

ヤギがいた

ヤギがいた

暑さで意識が朦朧とし始めた頃、天の助けか、前から1台のオートリキシャがやって来た。

僕はすかさずリキシャを止め、「エメラルド アイル」に行ってくれないか聞いてみたのだが、他の客を迎えに行く途中だから無理だとの返事が返ってきた。かなり失望したものの、リキシャの運転手の教えに従って再び歩き始める。

しかし、いつまでたってもホテルは見えてこない。一体どれだけ広いんだこの島。そこらの島民たちに聞いても、もはやまともな答えは期待できそうもなかった。

僕は暑さと疲労で力尽きようとしていた。あぁ、南インドの島でのたれ死んでしまうのか。

「どうせまともな答えは期待できないだろうなぁ」と思いながらも、一軒の商店のおじさんに道を聞いてみようかと視線を向けたところ、商店で買い物をしているおじさんが、僕の方を見て、「Yes?」と言った。

僕はすかさずスマホを取り出して住所を見せ、「エメラルド アイル」の場所を知っているか聞いてみたのだが、このおじさんもよく分からないようだった。

僕は日本のスマホしか持っていなかったので、この期に及んで国際電話をかけるのに躊躇していると、おじさんは自分の携帯をポケットから取り出してホテルに電話をかけてくれた。

おじさんは僕に電話を手渡すが、電話口に出たホテルのオーナーに対して、僕は「迷子になりました」としか言いようがなかった。ここで初めて、僕が間違ったボートに乗ったことが判明する。

今いる場所がどこか分からず伝えようがなかったので、代わりに話してもらおうとおじさんに電話を返す。

おじさんは現地の言葉で話しているので、何を話しているのかはよく分からなかった。

気が付けば、もう1人初老のおじさんが側にやって来ていて、話しているおじさんから電話を奪って何やらひたすらまくし立てている。

こちらも現地語なのでまったく分からないが、「Japanese」という言葉が頻繁に聞こえてくる。僕には「日本人が島をさ迷っているんだ。何とかしてやれ」と言っているように聞こえた。

ふと周りを見渡すと、僕を取り囲むように数人の島民たちが集まっていた。外国人など滅多にこない島で、迷子になった日本人が余程珍しいのだろうか。

電話口で話している初老のおじさんは、なんだか猛烈に怒っているように見えた。

しばらくして、1台の原付が僕たちの隣に停まっているのに気が付いた。原付のお兄さんは、僕に向かって「後ろに乗れよ」とジェスチャーをしてくる。どうやら「エメラルド アイル」までの道を知っているらしい。神の助けだ。

電話をかけてくれたおじさんは、もう必要もなかったのだが、ご丁寧に「エメラルド アイル」までの道のりを紙に書いて僕に渡そうとしていた。

別れ際、失礼かなと思いながらも、助けてくれたお礼にせめて電話代だけでも渡そうと僕は手に持っていた50ルピーをおじさんに手渡そうとした。

するとおじさんは、「それはなんだ?そんなものはいらないよ。俺がスマイルをあげたときに、スマイルを返してくれればそれで十分だ」と、よく分からないがとてつもなく格好良い言葉をくれた。

僕はおじさんの言葉に思わず笑顔になり、原付の後ろにつかまっておじさん達に手を振りながらその場を後にした。

後から聞いたのだが、その原付のお兄さんは、迷子になった僕のためにホテルのオーナーが手配してくれたものらしかった。

親切な島の人たちの協力によって、僕は命からがらホテルにたどり着くことができた。旅をする前は怖いイメージがあったインド人だが、僕はこの日、南インド人に感謝すると共に、心優しい南インド人が心底好きになった。

「日本で道に迷っている南インド人がいたら(あんまりいないと思うが)、必ず助けよう」と、僕は心に誓いながら、ようやくたどり着いたホテルのベッドで疲れた身体を休めるのだった。

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