リペ島(Koh Lipe)の思い出

晴れた日のリペ島の海(パタヤビーチ)

僕が今回リペ島を訪れた理由として、「離島好き」というのがある。特に沖縄の離島が好きで、宮古島には毎年行っているほどだ。宮古島周辺の海は日本一綺麗だと思う。特に宮古島から橋で繋がった伊良部島の海は素晴らしく、ここより綺麗な海を見たことがない。

タイにはプーケットやクラビなどの有名なリゾート地があるにもかかわらず、タイ人や旅行好きの日本人が揃ってリペ島をお勧めしていたので、離島好きの僕としては、以前からずっとリペ島に訪れてみたいと思っていた。

しかし、リペ島はアクセスが悪く、タイ南部やマレーシアのランカウイ島にいるのでもなければ、他の国を旅行したついでにさくっと立ち寄れるような場所でもない。また、何もない小さな島なので、忙しいスケジュールの合間を縫った短期の滞在ではなく、できれば1週間は滞在してのんびりとした離島暮らしを満喫して欲しい。

今回は当初予定していたインド南部への旅がテロの影響などもありキャンセルすることになり、代わりに2週間リペ島に行くことになったのだが、その選択は間違ってはいなかった。

リペ島を訪れる前は、多くの人が勧めるくらいなのだから「リペ島の海はどれほど綺麗なんだろう」と期待をしていた。宮古島の海との比較が今回の旅の大きな目的の一つだったのだ。

アンダマン海に浮かぶリペ島の海は確かに綺麗だ。空が日本より青いせいもあるのだろうか。特に晴れている日は空の青が海に映えていて美しい。今は雨季なので天気が悪い日も多いが、オンシーズンであればもっと綺麗な色をしているのかもしれない。エメラルドグリーンに深い青、多くの人が「バスクリン」と呼ぶ宮古島の海の色に似ている。

晴れた日のリペ島の海(パタヤビーチ)

晴れた日のリペ島の海(パタヤビーチ)

リペ島は非常に小さな島なので島のどこからでも海に近く、島を取り囲むように3つの大きなビーチがあるのも良い。夕暮れ時にビーチをランニングして島を一周するのは最高だ。高いビルなどの障害物がなく、日の出や夕暮れも間近に体験することができる。ビーチ沿いにはリゾートホテルが立ち並び、バーやレストランもそれなりにあって全て徒歩圏内なので便利だ。ビーチリゾートを求めているのであれば、宮古島よりリペ島の方が良いかもしれない。それでも、純粋な海の透明度で言ったら宮古島の方が上かもしれない。宮古島、特に伊良部島の海では浜辺からでも海の中にいる魚がくっきりと透けて見えるほどだ。

リペ島は「タイ最後の秘境」とも呼ばれているので、映画「ザ・ビーチ」に出てくるような離島を想像する人もいるかもしれない(ちなみにザ・ビーチのロケ地はピピ島らしい)。もちろん、リペ島はリゾート地であり、世界中から観光客が集まってくるので、「ザ・ビーチ」のような秘境といったイメージではないかもしれない。でも、全く違うかと言えばそうでもなく、スピードボートで1時間半かけてくる離島感、動物や自然に囲まれた原始的な生活などは、どことなく「ザ・ビーチ」の世界観に通じるものがある。

2週間の滞在で確かにやることもなかったが、イライラせかせかさせられることもなく、小さな島でただ緩やかに時が過ぎていった。インターネットがろくに繋がらない場所も多いが、そんなこともどうでもよくなってしまう。都会から逃れてリフレッシュするには最高の場所かもしれない。いつかまた訪れたい場所の一つだ。

リペ島の夕暮れ(サンライズビーチ)

リペ島の夕暮れ(サンライズビーチ)