『脳を最適化すれば能力は2倍になる』樺沢紫苑:レビュー

『脳を最適化すれば能力は2倍になる』の著者の樺沢紫苑さんは精神科医で、これまでに何冊か脳科学に関する本を出版している。僕は脳科学の本が好きで、茂木健一郎さんや他の脳科学者の本もこれまでに何冊か読んできたが、この著者も好きな作家の一人だ。

この本は、7つの脳内物質(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、メラトニン、アセチルコリン、エンドルフィン)について横断的に書かれている。

序章で7つの脳内物質の性質が「エヴァンゲリオン」のキャラクターに例えて分かりやすく紹介され、そして各脳内物質について、7つのチャプター(章)に分けてそれぞれの脳内物質を上手く活用するための仕事術と生活習慣を交えながら詳しく解説されている。詳しいと言ってもそれほど専門的な内容ではなく、脳科学の専門知識がない人でも読みやすいだろう。

この本は結構分厚く(約330ページ)、久々に脳科学の本を読むということもあって購入してから開くまでに結構時間がかかったが、いったん読み始めると非常に読みやすくてスラスラと読み進めることが出来た。

僕は脳科学の本が好きと言っても、それほど専門知識があるわけでもなく、未だに各脳内物質の違いがよく分かっていなかったり各脳内物質を混同してしまったりするので、7つの脳内物質それぞれについて章ごとに分けて書かれているこの本はとても分かりやすいものだった。一般的なビジネスパーソン向けに分かりやすく書かれており、脳科学の本を読んだことがない人にとってもおすすめだ。「脳内物質入門書」とでも呼びたいほどだ。

脳の仕組みを知ることは、身体の仕組みを知ることと同様、生きていく上で非常に役に立つと思う。この著者の言うとおり、脳内物質を上手く活用出来るようになれば、今までの何倍もの能力を発揮することも可能になるだろう。また、脳内物質を正しく分泌するためには規則正しい生活習慣が必要になるから、自然と身体も健康となる。

僕は他の脳科学の本やこの著者が書いた本を読むたびに、朝型の人間になろうと決心するのだが、もともと朝が苦手な僕は三日坊主で終わってしまい、本に書いてあることもやがて忘れるという失敗を繰り返してきた。

この本でも脳科学的根拠に基づく朝型のメリットが書かれている。僕も、記憶が整理されて脳がスッキリしている朝のゴールデンタイムを利用して大事な仕事や勉強を午前中に片付けられたらいいな・・・とずっと思ってきた。

この本を読み終えて、今度こそは朝型人間になろうと思い、メラトニンの分泌を促すために夜はPCやスマホの画面を見るのを早めに切り上げることにし、また真っ暗な中でぐっすりと眠れるように早速アイマスクを購入した。また、太陽の光を浴びてセロトニンの分泌を促しスッキリと目覚めることが出来るようにカーテンは開けたまま寝ることにした。朝型人間になるための習慣が定着するまで、この本を読み返すことを含めて脳科学の本を定期的に読んでいきたいと思う。

7つの脳内物質の詳細についてはこの本を読んで確認して欲しい。さて、モチベーションが上がったところで幸福物質のエンドルフィンを分泌するためにランニングでもしてこよう。